医薬品関連セミナーがあったので久しぶりに国際展示場まで行ってきました。昨年は初めての緊急事態宣言下、急遽、展示会自体が取りやめとなったのでした。あれから早一年、ウィズコロナでの開催です。でも会場は全体的に縮小し(コロナ前は中国など諸外国からの出展社もたくさんいましたが今は来日できませんし)、思った以上に来場者も少なく見えました。
当局よりICHのQ12ガイドラインに関するアップデートがあったので興味深く拝聴してきました。ICHはInternational Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use:医薬品規制調和国際会議、コードQ12は医薬品のライフサイクルマネジメントに関するガイドラインです。
ICH-Q12 医薬品のライフサイクルマネジメント | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)
このガイドラインはまだ国内規制へ取り入れられていませんが、ICHとして調和したガイドラインがほぼ完成したようです。作成の背景は、医薬品の承認後の変更管理が各国でかなり違うため、グローバルに製品を供給している製造者にとって、継続的な製造改善がしづらいことが理由にありました、承認後の変更管理をより効率的に行うためのフレームワークを提示するということがこのガイドラインの目的です。
鍵はEC(Established Condition)であると。このコンセプトは、製品の品質を確保する要因を薬事対応の必要性を含めて申請者が明確にし当局と相互に理解することです。品質に何が重要なのかをクリアにしてください、ということです。EUでは現在はモジュール3資料が承認事項となっていますが、これがECのコンセプトを取り入れた資料になるとすると、どういう書類になるのでしょうか。日本の承認事項により近づくことを期待しています。
Performance-based approachにしていけばより柔軟な製造方法にしていけるのではないか、との考えには賛同です。しかし、言うは易く行うは難し、実際に書類として落とし込んでいく作業やその後の運用・管理など、動き始めてしばらく経ってみないと何ともいえませんね。
ICHガイドラインの導入はヨーロッパのほうが早い傾向にあるので、まずは外国製造所でこのECを明確化することから始まるのかなと考えます、製造部門との協議が必要です。