医療用医薬品の規制区分
医療用医薬品には、規制区分として「毒薬」、「劇薬」があります。
これらは、内服したり注射した時などに副作用などの危害が起こりやすい、毒性・劇性の強い医薬品のことです。医療用医薬品に対して、厚生労働大臣が薬事法に基づいて指定しています。
一般用医薬品で、毒薬・劇薬に指定されている製品はありません。
また、「毒物」・「劇物」もよく聞かれると思いますが、これらも毒性・劇性の強い物質なのですが、医薬品・医薬部外品に該当しない成分のため、毒物及び劇物取締法(いわゆる毒劇法)によって製造・輸入・販売・取扱などが規制されています。
「毒薬」・「劇薬」の違い
毒薬は劇薬よりも毒性が強く、だいたい10倍の差があります。
たとえば、経口投与の場合、毒薬は急性毒性30mg/kg以下、劇薬が急性毒性300mg/kg以下、など指定される基準があります。
「毒薬」・「劇薬」の取り扱い
毒薬・劇薬は、保管や取り扱いにも厳しいルールがあり医薬品管理を行う管理薬剤師としての必須業務です。
病院や薬局では、毒薬・劇薬は他のものと区別して貯蔵・陳列しなければなりません。
さらに毒薬は、鍵のかかる専用の保管庫に貯蔵・陳列しなければなりません。
薬局が一般の人に毒薬・劇薬を販売する際には、規定事項を記載した書類の提出や保管が必要となります。
「毒薬」・「劇薬」の表示
危険性の高い医薬品のため、容器やパッケージの表示についても薬事法で定められています。
毒薬には黒地に白枠、白文字でその品名と「毒」。
劇薬には白地に赤枠、赤字でその品名と「劇」。
「毒薬」・「劇薬」の一覧へのリンク
毒薬・劇薬の一覧は薬事法施行規則の別表第三に指定されています。
下記が薬事法施行規則へのリンクですので、目次の下のほうにある別表第三をクリックすれば見られます。
検索方法
検索してもGoogleで簡単には出てこなかったので検索方法を載せておきます。
1.まずは「e-Gov法令検索」サイトにアクセスします。
2.検索欄に「薬事法施行規則」と入力して検索します。
3.薬事法施行規則にヒットした3件が表示されます。
4.一番上の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)」をクリックすると施行規則全文が閲覧できます。
5.目次の一番下のほうまでスクロールします。
6.別表第三を見つけたらクリックします。
7.別表第三が表示されます。
「毒薬」・「劇薬」の英語訳
日本法令外国語訳データベースによりますと、
毒薬がPoisonous Drugs、劇薬がDeleterious Drugsと訳されています。