モデルナ社の新型コロナワクチンの未使用のバイアルに金属破片の混入が見つかり、接種が見合わせられていました。
国内での供給を担っている武田薬品が調査結果を発表。
異物は、ワクチンを製造する機器に取り付けられていた金属部品の破片だったそうです。
破片といっても小さな粒子状なので見ただけでははっきりしないため、専門機関で分析した結果、ステンレススチールであると同定されました。
医薬品製造所の設備機器などで一般的に使用される高品質のステンレススチール、設置不具合で摩擦が発生し破片が混入したと説明されています。
この高品質のステンレススチールは手術や心臓の人工弁にも使用されており、注射針を通過してしまうようなサイズのステンレススチールがもし万が一筋肉注射により体内に入っても、過度の健康・安全上のリスクをもたらすことはないとされています。
とはいえ、心配です。
対象ロットのワクチンを接種後の男性2名の死亡例があり今回の混入との因果関係については確認されていないとされていますが、ワクチン接種率を上げようとしている今、こういった例の原因究明にも力を入れてほしいところです。
現在は3種類の新型コロナウィルスワクチンが承認され使用されていますがどれもやはり副作用は見られます。しかし、ワクチンを接種しないで新型コロナに罹って重症化してしまったり、Long COVIDと呼ばれる後遺症になってしまう可能性もあります。
どの道を選択してもリスクゼロの道が無いのであれば、それぞれのリスクをよく考えて最適な道を選んでいくしかないです。
2021年10月14日追記;
その後、スペインの製造所の調査結果が公表されました。ワクチンの打栓を行う機械に取り付けられた部品の設置で不具合が生じていたことが原因だったそうです。
バイアルにゴム栓を供給する2種類の部品スターホイールとストッパーフィーディングデバイスの間には1ミリの隙間が必要で、その調整は資格や経験のある作業員が目視で行っていますが、設置不具合があり1ミリの隙間が保てていなかったことに作業員が気づけなかったというヒューマンエラーによるものでした。
改善策として、部品間の隙間が1ミリであることを確認するための精密測定器の導入などを行ったそうです。
粒子状の異物は、ごく微量の「316Lステンレススチール粒子」であり、接種者の安全を脅かすものではないと発表されています。