マスターファイル(MF,原薬等登録原簿)新規登録ーMFチェックリスト

薬事・薬機法 /Regulatory Affairs

マスターファイル(MF)制度

医薬品原薬や添加剤はマスターファイル制度に基づいて厚生労働省に登録することができます。

新規に登録するときには必要書類や記載する項目も多く、煩雑になりがちです。しかし記載ミスや漏れは後々の承認審査において遅れが生じたり、承認後も齟齬の原因となったりしてしまうため、事前の入念な確認が必須です。

MFチェックリストの活用

そのサポートツールとして、MFチェックリストがPMDAにより提示されています。

各種様式等
医薬品・医療機器・再生医療等製品の承認審査・安全対策・健康被害救済の3つの業務を行う組織。

このチェックリストは、MF登録申請書作成時の自己点検用で、あくまで参考資料かつ推奨事項の位置づけであって、チェック結果を提出する必要はないものです。

MFチェックリストの種類

MFチェックリストには、 「1」 「2 a」 「2 b」 の3種類があり、 「1」 と「2 b」 には英語バージョンもありますので、そのまま海外製造業者へ参考資料として使うことができます。

  • チェックリスト「1」:【様式】、【提出先】、【提出年月日】、【提出者】を始め、【備考】ま での各欄についての説明。(チェックリスト2a 及び2bの各欄を除く)
  • チェックリスト「2 a」(国内製造業者用) :【製造方法】及び【規格及び試験方法】欄
  • チェックリスト「2 b」(海外製造業者・国内管理人用) :【製造方法】及び【規格及び試験方法】欄

「添付資料ファイル」と「別紙ファイル」の違い

MF登録申請書類申請前チェックリスト「1」を見ると、「添付資料ファイル」と「別紙ファイル」の違いがよく分かります。

これらは申請ソフトに取り込みが必要なデータですが、その種類によって、申請ソフト内の「添付資料ファイル」の場所に取り込むのか、「別紙ファイル」の場所に取り込むのかが変わってきます。

○「添付資料ファイル」 →参考資料(製造方法,一変・軽微設定根拠,製造工程流れ図を含む)

○「別紙ファイル」 →構造式と分子式及び分子量(PDF)

※ちなみに「添付資料」というのはCTD3資料のことを意味し、こちらはまた別の提出資料として扱われます。名前が似通っていてわかりづらいですよね。

提出資料全体

①鑑部 → 表紙のこと

②打ち出し書面 → 申請書類を印刷したもの

③保存FD → CD-ROMなどの電子媒体にデータを保存したもの

④構造式と分子式及び分子量、製造工程流れ図(A)

⑤参考資料(製造方法,一変・軽微設定根拠(B),製造工程流れ図(B)を 含む)

⑥CTD-3の電子媒体(CD)  電子媒体本体には、販売名及びMF番号、登録者名、提出年月日、『添付資料』を記載

⑦MF登録証の返送用封筒(簡易書留またはレターパックなど)

⑧(受付印押印後の控えの鑑の返送が必要な場合は)返送用封筒 (簡易書留またはレターパックなど)

「添付資料」はCTD-3資料のこと

ここで言われる「添付資料」 と呼ばれる資料は、CTD-3(モジュール3)資料のことです。

以前は電子媒体だけでなく、紙ベースで印刷したものも添付していたのですが、2021年3月の通知で電子媒体のみの提出で良いということになりました。

おかげで手間も資料の厚みも減りました。

チェックポイント

下記は、大事なチェックポイントです。

  • 溶媒、触媒及び試薬等の量、操作条件(時間・温度等)、プロセス・パラメータ等について、MF登録申請書へ記載する必要性の有無について、説明できる。
  • 質量などの単位について、製品標準書、作業手順書、製造記録等とMF登録申請書及び CTDmodule3の間で齟齬がないことを確認して記載されている。
  • 製造方法欄での管理値の「有効数字」(例:98%と98.0%の違い)、「以下と未満」(例:1.0%以下と1.0% 未満の違い)等の表記が、製品標準書、作業手順書、製造記録等とMF登録申請書及び CTDmodule3の間で齟齬がないことを確認して記載されている。
  • 外部の製造所(保管倉庫、粉砕工程等の委託先)及び外部試験検査機関を使用している場合,製造販売後にも変更に関する情報を国内管理人と定期的に確認できる連携体制にある。

これらに対して、100%自信をもって「Yes, confirmed」と言えるようにするにはかなり気を付けなければいけません。

海外製造所の製造記録や手順書などの一次資料からCTDモジュール3などの二次資料が作成される間でも転記ミスの可能性もありますので、CTDモジュール3だけではなく常に最新の一次資料を確認する必要があるのです。また、外国語から日本語へ訳す際のミスなども要注意です。

承認後も、改正GMP省令により承認書遵守の徹底がより強く求められ、定期的に点検作業が必要です。

医薬品のライフサイクルマネジメント、大変ですがその一環を担うことは重要なことなので地道に続けていきます。

MF登録申請後の流れ

MF登録申請を提出した後は、PMDAで登録手続きが行われ、大体2~3週間でMF登録証が発行されます。

登録されるとPMDAオンラインで公表されます。

登録されたからといって、承認されたわけではないことに注意が必要です。

審査が行われて初めて承認事項となります。

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